こんにちは。メープルの坂本です。

私は、これまで、15年ほどトールペイントの世界に携わってきました。そう言うと、誰もが、「もともと、絵が上手かったんでしょう。」とか、「絵心があるから、、」とか、そうおっしゃるのですが、

どちらかというと、私自身は、「絵を描いてみたいけど、でも、無理だろうな。」

そう思っていました。

そんな私が、「自分にも描けるかも。」と、思うようになったのは、夫の転勤で滞在したカナダで、トールペイントに出会ったおかげです。ひとつひとつ描けるようになっていくのが楽しくて、4年半の間、カナダの教室に通い続けました。

その教室の先生は、日本でも有名な、Barbaraさん。英語がちっともわからなかった私は、そんな有名人だとは知らずに、ただただ、トールペイントの楽しさにどっぷりと浸かっていました。残念ながら、先生はすでに他界されましたが、毎日のように先生の指導を受けていたおかげで、気づいてみると、いろんな絵が描けるようになっていました。

そして、日本に戻ってきてからは、教室を開いて、指導するようになりました。

もともと「絵は描けないもの」と思っていた私が、教えられるくらい描けるようになったのは、本当に、トールペイントに出会ったおかげです。

私は、これまで、何百人という人たちに教えてきましたが、トールペイントの技法を使えば、誰でも、上手に描くことができると思います。

一人でも多くの、絵が描きたいと願う人に、この「描く楽しみ」を味わっていただきたいなと思っています。



もともとトールペイントというのは、誰でも同じものが描けるよう、「絵の描き方が、パターン化されて、完全にマニュアル化されている」という特徴があります。

たとえば、○(マル)を描いただけでは、それは、ただの○(マル)ですが、そこに、手順通りに影を入れていけば、それは、立体感のある球体に変わります。

立体感のある球体が描けるようになれば、りんごや玉ねぎのような似た形をしたモノを描くことは、それほど難しいことではありません。マルや球体だけでなく、三角形や四角形。いろいろな形のパターンがわかれば、どんなモノも立体的に描けるようになります。

一方、初心者が描いた絵が、素人っぽく見えてしまうのは、その絵に立体感がなく、のべーっと、平面的になっていることが大きな理由です。そういう絵を見て、「私は絵心が無いから、、、」と諦めている人が多いですが、私は、絵心が無いというよりも、「絵を描くために必要なことを知らない」と言ったほうが適切ではないかなと思っています。

では、立体感溢れる絵を描くために必要なことはどんなことでしょう?

実は、大雑把に言うと、そのために大事なことはたった2つだけしかありません。

どこに光が当たって、どこに影があるのか?という「明暗を見分ける観察力」と、「明暗を表現するための筆づかい」です。その2つさえマスターすれば、あとは、「モノの形」に合わせて、「パターン化された描き方」を当てはめていけばよいだけ。

どんなものを描くにしても、ステップバイステップで、手順通りに行っていけば、誰でも、立体感のある絵を描くことができます。

いくつかトライしていただければ、絵が上手く描けない本当の理由は、絵心がないからではなく、「観察力」か「筆づかい」。その2つのどちらかが原因なんだと、気づくことができると思います。



私は、自分の絵心に自信がない人こそ、トールペイントは向いていると思います。じっくり観察して、じっくり取り組めば、誰でも上手に描くことができます。

絵を描く時間は、そのことだけに没頭できる。とても貴重な体験です。特に、時間にゆとりがある、私と同世代の中高年の方にこそ、この世界に飛び込んでいただきたいと思います。

<講師紹介>

坂本みち子: トールペイントに関わって18年。1996年~2002年カナダに居住、その間、オンタリオ州Harbour craft Painting Studioにて、Barbara Jenkins MDA等からトールペイントを学ぶ。現在SDP(Society of Decorative Painters in U.S.A)会員、2005年ニセコに移住。

10年以上の指導経験から生まれた、実践的な内容です。シンプルでわかりやすい内容を心がけています。


・動画を活用して、オンラインで学べる通信講座を作れないかと思案中です。

←試作した動画講座です。動画の完成はまだ先になりそうですが、「トールペイントって、自分にもできそうかな?」を確認できるかなと思います。興味がある方はご覧下さい。